クルマへのスピーカー取り付けでポイントになるデッドニング処理
カーオーディオの音を良くする入り口のひとつにスピーカー交換がある。純正のチープなスピーカーユニットから、アフターパーツとして用意されている高品質なユニットに交換するだけで音は激変する。
しかし、ここでひとつ注意したいのが取り付けだ。ホームオーディオのスピーカーはエンクロージャーにセットされた状態で出荷されるので常に最良のサウンドが楽しめる。しかしカーオーディオのスピーカーはユニット単体なので、クルマへの取り付け次第で音が変化してしまう。では取り付けとはいったい何なのか？
スピーカーの基本的な取り付け上のポイントとしてはミッドバスを固定するバッフルがある。確実にユニットを固定して本来持っているポテンシャルを発揮させるのが役割だ。
さらにもうひとつの取り付け上のポイントとなるのがデッドニングだ。デッドニングは制振や防振などとも呼ばれる通り、スピーカーからの発した振動をコントロールするのが役目だ。
具体的にはデッドニング材を使ってスピーカーから影響を受けるポイントをデッドニングしていく作業となる。しかし、クルマは一台一台ドアの形状も違い、取り付けるスピーカーもバラバラ。そのため最適な状態のデッドニング処理をするのはかなり高いスキルが求められる。そんな時に頼りになるのがオーディオ取り付けを数多くこなしているプロショップだ。
デッドニングで得られる効果と必要性と目的
そもそもデッドニングとはどのような働きをしているのだろう。クルマのドアを一度でもバラしたことのある人ならわかると思うのだが、クルマのドアは外板にあたるアウターパネルと車内側のパネルであるインナーパネルで囲われた空間を持つ構造だ。インナーパネル側にスピーカーを取り付けることで、この空間がちょうどエンクロージャーの働きをすることになる。しかしホームスピーカーのようにクルマのドア素材や形状は選べない。基本的にクルマのドアは鉄板で出来ているのも難問だ。
そこで必要になってくるのがデッドニングだ。形状や再生周波数で起こってしまう共振はビビり音などの異音につながる。これをまずは徹底的に押さえ込んでスピーカーからの音だけをピュアに聴ける環境を作るのが目的のひとつ。特にスピーカーからのエネルギーが強く影響するスピーカー周りにはしっかりデッドニング処理を施して不要な音を抑えるのが急務となる。その他も適材適所にデッドニングを施して音をクリアにしていく。
さらにはドアのインナーパネルには複数のサービスホールが開いている。パワーウインドウなどのドア内に設置されたパーツ類のメンテナンスには欠かせない構造なのだが、これもサウンド的には大敵となる。例えばスピーカー裏側の音が前面に回り込んで干渉するなど、本来の音以外の不要な音がリスナーに届いてしまうのだ。そこでサービスホールを埋めて全面を囲われたボックス形状を作る手法を採用するケースもある（チューニング次第で全面を覆わない場合もある）。
人間の耳では僅かな異音は聴感上聞き取りにくいのだが、デッドニングをするとスッキリしたサウンドになることが良くある。これは明確な異音でなくても、微少なノイズは各所から発生していて、本当に聴きたいスピーカーからの音に被り、音を濁していることが度々あるから。だからこそデッドニングは必要なのだ。
デッドニングには専門知識とスキルが必要。経験豊富な専門店･プロに任せる
このように高音質を求める上で重要な役目を果たしているデッドニングだが、注意したいのは施工のテクニックだ。やみくもにあちこちにデッドニング材を貼るだけでは狙った効果は発揮できない。
わかりやすい例として「デッドニング材を貼りすぎた為、詰まったような味気ない音になってしまった」などの例もある。サービスホールを埋める手法も、完全に埋めるよりも少しスペースを空けてスピーカーの動きをスムーズにする方が良い結果が出る場合もある。
知識の無いユーザーが見よう見まねでデッドニングをしてしまうと良くなるどころか、かえって悪い結果を生んでしまうケースだってある。
望んだ結果が出ずに何度もやり直しをして最適な状態を探していくといったムダな作業も出てきてしまう。そんなことにならないために、最適なデッドニング施工を実施できるプロショップに任せるのが安心だ。
専門店・プロが施すデッドニングは効果絶大
長年の経験から、クルマの形状やスピーカーユニットに合わせて、どのようなデッドニングが効果的なのかを知っているプロなら、無駄なデッドニングはせず、最短距離で結果を出せるのだ。
スピーカーの能力を存分に発揮させて、選んだシステムのポテンシャルを引き出して高音質を楽しむためにデッドニングは知識と経験豊富なプロに任せよう。
